新学期が始まると、教室にはどこかキリッと引き締まった空気が流れます。
「今年こそ成績を上げたい」「今度こそ本気を出す!」と目を輝かせる子どもたちの姿に、私たち大人もつい応援したくなりますよね。
しかし、教師として毎年新学期に思うことがあります。
それは「そのやる気、ちゃんと続くかな?」ということ。
そして、その心配は今の時期になって案の定、現実となるのです。
気合いが入りすぎる子どもたちの“あるある”
新学期や新年度は「やる気スイッチ」が入りやすい時期です。
「よし、今日から毎日3時間勉強する!」
「毎日英単語50個覚える!」
など、高い目標を掲げる子もたくさんいます。
もちろん、意気込みは素晴らしいことです。
ですが、ここで一つ注意したいのが、「その目標、現実的かどうか?」という点です。
私の経験上、こうした“気合いMAX”な目標を立てた子の多くは、残念ながら長続きしません。
特に、今まで勉強習慣がほとんどなかった子が、いきなり1日3時間の勉強を自分に課すのは無謀です。
最初の数日は勢いで頑張れるかもしれません。
でも、3日も経てば疲れてしまい、やがて「自分はやっぱりダメなんだ…」と自己肯定感を下げてしまう結果に繋がることもあります。
やる気は“爆発”より“持続”がカギ
ここで大切なのは、気合いを「いきなり全力で噴射」するのではなく、「細く長く噴射」させることです。
例えば、やる気満々で「今日から毎日3時間勉強する!」と意気込んでいる子には、まず一旦落ち着いてもらいましょう。
そして、こんなふうに声をかけてみてください。
「まずは10分から始めてみようか」
「1日2ページだけ問題集をやってみるのはどう?」
このように、大人が“達成可能なライン”を一緒に考えてあげることがとても大切です。
子ども自身が「これならできそう」と思える目標からスタートすれば、成功体験につながります。
「思ったより簡単だった」「今日は10分のつもりが20分できた!」という積み重ねが、やる気の“持続エネルギー”になります。
「今日できなかった」ではなく「今週で見ればOK」
さらにおすすめなのが、“1日単位”ではなく“1週間単位”で考えること。
たとえば、今日できなかった分を「明日やればいいや」とリカバリーできるようにしておくと、完璧主義にならずにすみます。
私が子どもたちに伝えるのはこんなスタンスです。
「毎日じゃなくてもいいよ。1週間で見てプラマイゼロになればOK!」
この“ゆるいけど持続できる”考え方が、子どもの心に余裕を生み、前向きに学習に取り組む土台になります。
コツコツ続けられる子は、やがて伸びる
教育現場にいると、目立たずともコツコツ続けられる子が、ある日グンと伸びる瞬間に立ち会うことがあります。
1日10分、たった2ページの学習でも、半年・1年と続けばとても大きな差になります。
特に、小学生・中学生の時期に“自分で決めたことを続けられた”という成功体験は、将来にもつながる財産です。
最後に:やる気を“続く形”で支えてあげよう
子どもがやる気になっているとき、それは絶好のチャンスです。
でも、無理な目標を立てて失敗するのではなく、
「できた!」という気持ちを積み重ねて、自信に変えていけるようサポートしてあげましょう。
親や教師がしてあげられることは、
無理をさせることではなく、
「一歩ずつでも大丈夫だよ」と伝えること。
それが、子どものやる気を“長続きする力”に変える第一歩になります。
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