寒い時期こそ大切にしたい「持久走」の授業

寒くなってくると、体育の授業で持久走を行う学校も多くなってきます。

ただ正直なところ、持久走は子どもたちからあまり人気のある種目ではありません。

  • 長くてしんどい
  • ただ走るだけで楽しくない
  • 遅いと目立ってしまう

こうした理由から、苦手意識を持っている子も多いのが現実です。

しかし実は、持久走は成長期の子どもたちにとって非常に大切な運動でもあります。

第二次発育急進期に心肺機能を高める重要性

小学校高学年から中学生にかけての「第二次発育急進期」は、心肺機能が大きく発達する時期です。

この時期に持久的な運動を経験しておくことは、将来の体力の土台づくりにつながります。

また、ランニングは特別な道具が必要なく、大人になってからも続けやすい運動です。

だからこそ、学校の体育で「ただつらいだけの持久走」にするのではなく、前向きに取り組める経験にしていくことが大切だと考えています。

目次

子どもが前向きになる「持久走の工夫」3選

ここからは、私が実際の授業で意識している、持久走を前向きにするための工夫を紹介します。

① 音楽を流す

ランニングのCMなどを見ていると、イヤホンをつけて音楽を聴きながら走っている場面をよく見かけます。

音楽には、

  • 気分を上げる
  • 一定のペースを保ちやすくする

といった効果があります。

持久走の時間に音楽を流すだけで、「ただ走る」から「気持ちよく走る」へと意識が変わる子も少なくありません。

② 距離ではなく「時間走」にする

持久走というと、距離で評価するイメージが強いですが、私は時間走をおすすめしています。

例えば、

  • 5分走
  • 10分走

といったように、決められた時間の中でどれだけ走れるかを目標にします。

時間走には、次のようなメリットがあります。

  • 全員が同じタイミングで終われる
  • 最後まで1人で走る子が出にくい
  • 苦手な子の心理的負担が減る

また、GPS機能付きのウェアラブル端末を使えば、自分の走った距離を「見える化」することも可能です。

学校によっては、大学や外部機関と連携して機器を借りる取り組みも増えてきています。

③ 心拍数で「頑張り」を振り返る

走り終わった後に心拍数を測り、自分がどれだけ頑張ったかを振り返るのも効果的です。

最大心拍数の目安

最大心拍数は、一般的に次の式で求められます。

220 − 年齢

例えば、10歳の場合、

  • 最大心拍数:210
  • 80%:168(かなり頑張った)
  • 60%:126(そこそこ)
  • 40%:84(体力維持)

このように目安を示しておくことで、子どもたちは「速さ」だけでなく自分の頑張りに目を向けられるようになります。

中高生はより正確な計算も

中学生・高校生の場合は、安静時心拍数を使って、より正確な目標設定も可能です。

計算式はこちらです。

(220 − 年齢 − 安静時心拍数) × 運動強度 + 安静時心拍数

例:15歳、安静時心拍数60、運動強度80%の場合

(220 − 15 − 60) × 0.8 + 60 = 176

走り終わった後に心拍数が176以上であれば、目標達成となります。

測定が難しい場合は、30秒測って2倍にする、パルスオキシメーターやウェアラブル端末を活用するなど、現場に合った方法で問題ありません。

まとめ|工夫次第で持久走は変えられる

持久走は、どうしても「つらい」「嫌だ」というイメージを持たれがちです。

しかし、

  • 音楽を流す
  • 時間走にする
  • 心拍数で頑張りを振り返る

この3つの工夫だけでも、子どもたちの受け止め方は大きく変わります。

寒い季節の体育でも、子どもたちが前向きな気持ちで取り組める授業に。

明日の体育から、できるところからぜひ取り入れてみてください。

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