私が以前勤めていた高校は、定員割れが続く「ボーダーフリー」校でした。
通知表には「煙突」や「あひる」(表現が古い?)が並び、分数の計算がちんぷんかんぷん、九九が正しく言えない生徒もいる。そんな学校です。
もちろん、ここまで極端ではないにしても、
「おいおい、高校生でそれ大丈夫か?」
と思う場面が、本当にたくさんありました。
そんな環境で働く中で、小学校に勤めていた頃以上に子どもたちに「共通点」が多いことに気づきました。
今回は、そんな低学力高校生に見られる特徴を5つ紹介していきます。
【先に結論】5つの共通点
① 鉛筆・箸の持ち方がおかしい
② 持ち物に名前を書かない
③ 間違えても消しゴムを使わない
④ 数学の計算で途中式や筆算を書かない
⑤ 問題集などの答え合わせが適当
それでは、ひとつずつエピソードも交えながら解説していきます。
① 鉛筆・箸の持ち方がおかしい
小学校低学年のつまづきが、その後もずっと影響している!
高校に赴任した数日後の始業式、いきなり3年生の担任を任された私は、
ドキドキしながらクラスでの自己紹介や書類配布を進めていました。
教室をまわって生徒たちの様子を見ていると、ふと違和感が…。
「ペンの持ち方がおかしい子、多すぎない?」
小学校でも鉛筆の持ち方が怪しい子はいましたが、1クラスに2、3人。
ところがこのクラスでは、1列に1人は確実にいる。
もはや、正しい持ち方をしている子の方が少数派ではないかと思うほど。
昼休みに教室に行ったときも、箸の持ち方を見て
「やっぱり変だな…」
と再確認しました。
鉛筆の持ち方は、小学校の一番最初に習う基本中の基本。
そこですでにつまづき、それが直らないまま約10年過ごしてきたということになります。
これだけでも、色々な背景が読み取れます。
- 持ち方を注意されたとき、素直に直さなかった
- 授業の話をちゃんと聞けていなかった
- 学校でも家庭でも、しっかり指導されなかった
- 家庭での学習環境が十分でなかった
「たかが持ち方」と思うかもしれませんが、こうした積み重ねが、後々の学力に大きく影響してくるのです。
② 持ち物に名前を書かない
手間とその後のリスクを天秤にかけられない
これも、小学生にも時々いましたが、クラスに2、3人程度。
名前のない落とし物があっても、容疑者はすぐに絞れました。
しかし、高校では違いました。
持ち主不明の落とし物が多すぎる!
しかも最終的には、
「オレのがないから、多分オレのっす。」
で解決(?)してしまう。
当然、物の管理は雑。
無くす、忘れる、壊す、のオンパレードです。
なぜ名前を書かないのか?
答えは単純。
「めんどくさいから。」
今やるべき小さな手間よりも、
「めんどくさい」の感情を優先してしまうんです。
こういう子たちは、小中学校時代から忘れ物や紛失が多く、
勉強に集中できる環境が整わなかった可能性が高いです。
③ 間違えても消しゴムを使わない
めんどくさいの気持ちが最優先
これも理由は同じ。
「消しゴム出すの、めんどくさい。」
だから、シャーペンで間違えた箇所をぐちゃぐちゃに塗りつぶして済ませてしまう。
結果、自分の考えた過程が見えなくなり、解答を間違える、
提出物も汚い、再提出になる、そしてまた怒られる…。
本来なら、小学校時代にしつこく指導されるべきポイントです。
ここがきちんと習慣化していないということは、
やっぱり「基本を積み重ねる力」が育っていない証拠だと感じます。
④ 数学の計算で途中式や筆算を書かない
できない子ほどやらない!
そしてこれもおなじみ。
「途中式とか書かなくてもできるし。」
できない子ほどそうやって言うんですよね。
そしてミスをする。
これ、先生なら「あるある!」って言いたくなりますよね。
テストの採点をしているとき、思わず
「だから途中式書きなさいって言ったじゃん!」
と叫びたくなる場面、何度もありました。
手間を惜しんで急がば回れを絶対にやらない。
それが、低学力層の典型的な特徴です。
⑤ 問題集などの答え合わせが適当
問題集をやるという手段が目的になっている
さらに、問題集の答え合わせも雑。
中には、答えを丸写しするだけの子もいます。
比較的まじめな子でも、
- 〇か×だけしか見ない
- どこを間違えたかチェックしない
- なぜ間違えたか考えない
こんな感じです。
本当なら、
「どこまで合ってたか」
「どこでミスしたか」
に目を向けられれば、モチベーションにも復習にもつながるのに、それができない。
問題集は提出物であり、
「出せばいい」「終わらせればいい」
になってしまっていた背景もありますが、
根本は「学習習慣のなさ」に起因していると感じました。
まとめ
以上、低学力高校生に共通する5つの特徴でした。
いかがだったでしょうか?
あなたのクラスの子や、お子さんに当てはまるものはありましたか?
これらの習慣は、年齢が上がるほど直すのが難しくなります。
できれば、小学校低学年のうちに気づいて直してあげてほしいなと思います。
気づいた「今」が最高のタイミングです。
「未来を変えるのは、今日の一歩から。」
子どもたちが正しい一歩を踏めるように、
私たち大人がサポートしていきましょう。
コメントやDMもお待ちしています!
インスタでも情報発信しています。ぜひフォローしてくださいね!
→ @barubarusensei
コメント